白内障手術
- 白内障
多焦点眼内レンズ
レンズの種類により、光学的な特性の違いで見え方の質に特徴があります。
インテンシティー Intensity
もっとも進化した最新型の多焦点眼内レンズです。フーリエ光学により計算されたDLUテクノロジー(Dynamic light utilization technology)というHanita社独自のアルゴリズムの5焦点眼内レンズで、従来の回折型2焦点や3焦点レンズでは使用出来なかった部分を活かし、無限遠~40cmまでの全距離でスムーズな見え方を実現しました。

- (1)バランスの良い光学設計
回折構造は、なめらかなエッジ形状の12本のステップからなり、ステップの幅や高さは中心から周辺に向かって変化し、瞳孔径に応じて最適な配分になるように作られています。 中心から直径2.5mmまでをZone 1、2.5~4.0mmまでをZone 2、4.0~5.2mmをZone 3で、明所視はZone 1とZone 2を使用し、薄明視・暗所視にはZone 1からZone 3を使用します。

- (2)光学ロスが極めて少ない
焦点距離80cmの0次光と2か所のインテンシファイアによって、5焦点での幅広い焦点域を実現しました。従来の回折型2焦点や3焦点レンズでは10%~20%の光学ロスがありましたが、6.5%と光学ロスが極めて少ない設計となっています。
- (3)幅広い明視域を実現
5焦点化により、従来の3焦点レンズに比べても全距離(∞~40cm)で良好な見え方を実現しています

- (4)ハローグレアが少ない
従来の3焦点レンズに比べてハローグレアが抑えられています。

ビビネックス ジェメトリック Vivinex Gemetric

HOYA株式会社から2024年に国内発売開始された日本企業発の多焦点眼内レンズです。
非球面3焦点眼内レンズで光学部の中心3.2 mm径内に回折ゾーン、外側は遠方単焦点の構造で、遠くの見え方を犠牲にせずに中間距離と近くの見え方を確保するための光配分になっており、暗所で遠方重視の光配分となり、不快光視現象の低減が期待されるデザインになっています。
加入度数は中間+1.75 D(約80cm)、近方+3.50 D(約40cm)となります。
素材は従来から使用実績があるHOYAの眼内レンズVivinexシリーズと同じであるため、信頼性の高い疎水性アクリルとなっています。
片眼に遠方重視のVivinex Gemetric、もう片眼に近方配分を強化したVivinex Gemetric Plusを組み合わせて使う場合もありますが2024年7月現在Vivinex Gemetric Plusは日本国内ではまだ取扱いはありません。
- Vivinex Gemetric/Vivinex Gemetric Plusの焦点深度曲線
回折構造は、なめらかなエッジ形状の12本のステップからなり、ステップの幅や高さは中心から周辺に向かって変化し、瞳孔径に応じて最適な配分になるように作られています。 中心から直径2.5mmまでをZone 1、2.5~4.0mmまでをZone 2、4.0~5.2mmをZone 3で、明所視はZone 1とZone 2を使用し、薄明視・暗所視にはZone 1からZone 3を使用します。
- (Vivinex Gemetric/Vivinex Gemetric Plusの瞳孔径による遠・中・近の光配分の違い
-
- Vivinex Gemetric/Vivinex Gemetric Plusの満足度調査
90%以上の人が眼鏡に頼ることなく遠中近において高い満足度を得ており、不快光視現象のスコアも低いことが報告されています。

クラレオン パンオプティクス Clareon PanOptix

2017年に欧州で先行発売され、臨床評価が高く海外での使用実績も多く、日本国内でトップシェアとなっている3焦点の多焦点眼内レンズです。日本では2019年に厚労省の認可を受け、2022年に素材が改良された現在のモデルが認可されています。従来の2焦点レンズではピントが遠方と近方にわかれるため、中間距離の見え方が弱くなってしまうことが問題でしたが、3焦点レンズでは遠方、中間距離、近方に焦点を配分することで、その弱点をカバーして、より自然な見え方になります。
他社の3焦点レンズが「∞・80cm・40cm」で中間が80cmにピントのピークがあるのに対し、パンオプティクスはENLIGHTEN™ 光学テクノロジーにより、「∞・60cm・40cm」で中間が60cmにピントのピークがるため、40~80 cmの連続した焦点距離の見え方の質が良いように設計されています。コンピュータ作業、スマートフォンの使用、料理、本やメニューを読む、携帯型ゲームで遊ぶといったことが、より快適にしやすいように配慮されています。
3焦点レンズの光学的性質上、夜間・暗所でのハログレアは単焦点やアポダイズ回折型2焦点(遠・中)アクティブフォーカスに比べると少しでますが、明視域が広く、明所・暗所ともにコントラスト感度が良好で、患者満足度スコアの高い多焦点眼内レンズです。

![]() パンオプティクス (3焦点 遠・中・近) | ![]() アクティブフォーカス (2焦点 遠・中) | ![]() レストア (2焦点 遠・近) |
![]() アクリソフIQ (単焦点レンズ) |
![]() レンティスMプラス (分節屈折型2焦点) |
![]() テクニスシンフォニー (エシュレット回折・焦点拡張) |
テクニス オデッセイ TECNIS Odyssey

従来から定評ある米国ジョンソン・エンド・ジョンソン社の回折型多焦点眼内レンズTECNIS®シリーズの2024年に国内認可された最新バージョンです。同社から発売されていた「テクニスシナジー」の後継に位置付けられています。オデッセイは「(2焦点+焦点深度拡張(EDOF)型」の多焦点眼内レンズになります。
- (1)遠方から近方まで連続的範囲で視力を維持
-

- (2)度数ズレに対する高い耐性
-

- (3)夜間のハロー・グレアの軽減
-

レンズ回折構造のエッジをなめらかにしてハローやグレアを抑える構造になっています。

- (4)昼夜を問わず質の高い見え方
-

クラレオンビビティ Clareon Vivity

2020年にAcrySof® IQ Vivity®として欧米のみで販売開始されていましたが、2023年にレンズ素材が新しくなったClareon®Vivity®として日本国内認可されました。 全世界に先駆けて2023年3月末より日本国内の一部施設にて先行発売され、2023年6月より一般販売となる新しい眼内レンズです。選定療養が利用できます。
多焦点眼内レンズのほとんどが回折型の構造により、幾分かの光学ロス(5~15% ※レンズの種類による)があり、コントラストの低下、暗所でのハロー・グレア、ゴーストなどがみられますが、Clareon®Vivity®は非回折X-Wave™テクノロジーにより、光学ロスを生じることなく、単焦点眼内レンズ同等の高いコントラスト感度、遠方視力を維持したまま、遠方から中間距離まで自然で良好な見え方に焦点深度を広げています。40~50cmより近方の見え方はやや弱く、手元の細かい字を見るには眼鏡が必要になることはありますが、遠く~実用的な近方距離(※パソコンやタブレット等の使用が可能)までは裸眼でカバーできるように設計されています。ハロー・グレアが単焦点レンズと同等に生じにくく、夜間の運転にも適しています。



![]() 単焦点レンズ |
![]() Vivity® |
![]() 回折型EDOF |
![]() 回折型3焦点 |

2023年4月現在、Clareon®Vivity®の乱視用レンズはまだ販売開始しておらず、強い乱視のある方には不向きですが、AcrySof® IQ Vivity®では乱視用が販売されているので、いずれ登場してくるものと思われます。
テクニスピュアシー TECNIS PureSee

2025年発売の最新型の多焦点眼内レンズです。非回折構造の焦点拡張型レンズで、従来の多くの多焦点レンズにみられる夜間ハロー・グレア現象がほとんど生じないレンズです。
- (1)非回折型で暗所視機能が良い
-
非回折型焦点拡張型のレンズ設計で、夜間のハロー・グレア現象がほとんどなく単焦点レンズと同等の暗所視機能を提供します。

遠方イメージコントラスト(平均眼モデルにおけるベンチ試験) 
瞳孔径が3mmから5mmに変化した場合のコントラスト減少率 
- (2)遠方から中間重視の焦点深度曲線
-
遠方から50~60cmまでを得意とするレンズで全体的に高いコントラスト感度を提供します。近方はやや弱めで手元は離し気味にして見ないと見えにくいですが、非常に満足度の高いレンズです。


- (3)度数ズレに対する高い体制
-

- 長期にわたる透明性、眼内安定性、収差の少ない基本性能の高さ
-

- 球面収差をほぼゼロに低減し、より鮮明な視機能を提供
-

- Tri-Fix3点固定方式により眼内で高い安定性
-

レンティスMplus Lentis Mplus
分節型多焦点眼内レンズで、遠方と手元の2箇所にピントが合います。 光量のロスが5%と少なく、光量配分は遠方が55%で近方が40%になっています。 回折型に比べて暗所でのコントラスト感度が高く、見え方の質が良いのが特徴ですが、手元の見え方はやや弱いです。通常の50倍の精度でレンズを1枚づつオーダーメイドで作るため矯正精度が高く、他の多焦点眼内レンズで対応でききない乱視や強度近視の方にも適応となる場合があります。


エボルブ Evolve

Evolveは強度近視や乱視にも対応可能な屈折型EDOF(焦点深度拡張型)多焦点眼内レンズで、自然な遠〜中距離の見え方と夜間の快適さが特徴です。
イタリアSoleko社製のEvolveは、−5.00D〜+30.00Dの広い度数レンジと、乱視矯正が0.25D刻みで可能な高精度設計を持ちます。屈折型EDOF構造により、ハロー・グレアが少なく、暗所でも明るく自然な視界を提供。オーダーメイド対応で、強度近視・乱視のある方にも選択肢を広げます。読書など近距離では眼鏡が必要な場合もありますが、裸眼での満足度は高く、夜間運転や中距離作業に適しています。

- (1)強度近視や強度遠視、強度乱視にも適用可能
- 球面度数-5.00D〜+30.00D (0.50Dステップ)、乱視度数1.00D〜10.00D (0.25Dステップ)最大15.00Dまであり、強度近視や遠視、強度乱視で多焦点レンズをあきらめていた方にも使用可能。
- (2)屈折型の焦点深度拡張型レンズであるため、コントラスト感度の低下が少ない。
従来の3焦点レンズに比べても全距離(∞~50cm)で良好な見え方を実現しています。

- (3)グレアやハローがかなり少ない
従来の3焦点レンズに比べてハローグレアが抑えられております。全く感じない患者様もおられます。



















